収蔵資料 河口慧海コレクション「ガナパティ」

博物館客員教授

博物館客員教授

リ・ギキル博士

李 起吉
(Lee Gi-Kil)博士:
大韓民国、2012年9月~2013年3月

韓国と日本の旧石器の比較研究

平成24年度の総合学術博物館の客員教授として、韓国朝鮮大学校 史学科正教授 李起吉(リ・ギキル)氏が平成24年9月1日から平成25年2月28日まで、東北大学に滞在します。

李起吉教授は韓国南西部に位置する湖南地方で旧石器時代の調査を約20年間おこない、その研究に多大な成果をあげました。最近 では、韓半島と日本列島の後期旧石器時代の石器群をつうじた文化交流の問題に興味を示され、北海道や東北地方の旧石器を観察されています。

李先生は、「韓国と日本の旧石器の比較研究」と題して、本学で発掘した「新潟県荒屋遺跡」、「山形県上ミ野A遺跡」等の資料を活用され、研究をおこないます。

ハンタ ラタナポン博士

ハンタ・ラタナポン(客員准教授)
(Hanta Rattanaphorn)博士:
タイ、2012年5月~2012年7月

タイ北部チャイヤプーム県からの後期三畳紀/前期ジュラ紀(?)恐竜の同定

タイのナコーン・ラチャシーマ・ラジャバット大学付属珪化木鉱物資源東北調査研究所のハンタ ラタナポン博士が、平成24年5月16日~7月30日までの期間、総合学術博物館の客員准教授として赴任されました。ハンタ先生は、新第三紀の哺乳類化石と三畳紀の恐竜化石の研究をされています。

今回、ハンタ先生は、タイ北東部から産出した三畳紀後期の恐竜化石の同定を、福井県立恐竜博物館と共同でおこないました。三畳紀後期は恐竜の出現した時代で、世界的にも標本が数少ないことから、アジアにおける原始的な恐竜の詳細が明らかになることが期待されます。

ル・ジュンチャン博士

呂君昌
(Lu Junchang)博士:
中華人民共和国、2012年2月~2012年3月

日本産ティタノサウルス形類の系統学的研究

中国地質科学院地質研究所の呂君昌教授が、平成24年2月16日から同年3月30日まで総合学術博物館の客員教授として赴任されました。呂先生は、中国、日本、モンゴル等アジア各地で翼竜やティタノサウルス形類竜脚類の発掘調査をおこない、それらの系統学的研究を進めています。

今回、呂先生は福井県立恐竜博物館と共同で、フクイティタンなどの日本産ティタノサウルス形類の系統学的研究をおこない、アジア圏のティタノサウルス形類の移動や進化の研究をおこないました。

イ・ソンブク博士

イ・ソンブク
(Lee Seon-bok)博士:
大韓民国、2012年1月~2012年2月

韓国と日本の旧石器の比較研究

ソウル国立大学の考古学・美術史学部の李鮮馥教授が、平成24年1月26日から同年2月28日まで総合学術博物館の客員教授としておいでになりました。

東アジアの旧石器時代をご専門とする李先生は、東北大学が調査した旧石器資料を日本列島と韓半島とで比較検討し、東アジアの視点から位置づける研究をされました。

キム・キョンシク博士

キム・キョンシク
(Kim Kyungsik)博士:
大韓民国、2010年 9月〜2011年2月

韓国および日本の木材化石フローラの比較検討

韓国全北大学生物学部の金京植(キム・キョンシク)教授が、平成22年9月から平成23年2月末まで総合学術博物館客員教授として滞在されました。

先生のご専門は、中生代および第三紀の木材化石で、東北大学滞在中は、「韓国および日本の木材化石フローラの比較検討」をテーマとして本博物館収蔵の日本・朝鮮半島・中国の木材化石の再調査を進めるとともに、韓国および日本の木材化石フローラの比較検討をされました。

平成15年度に客員教授として来日したさいには、韓国東海岸において先生が発見された第三紀中新世の木材化石を、日本における日本海側の同時期の木材化石と比較して、日本海の成立と関連する大変意義深い研究成果をあげられました。この論文は、Bulletin of the Tohoku University Museum(東北大学総合学術博物館紀要)4号に掲載されています。

ホン・ジェサン博士

ホン・ジェサン
(Hong Jae-Sang)博士:
大韓民国、2009年7月~2010年2月

日本と韓国における干潟底生生物の生態学的研究

韓国仁荷大学海洋生物学科の洪在上教授が、2009年7月2日から2010年2月26日まで総合学術博物館客員教授としておいでになりました。

洪在上先生は、干潟の多毛類をはじめとする底生生物の生態学を専門として、とくに黄海沿岸における底生生物群集にかんする研究をおこなってきました。また、韓国の大規模干拓事業である始華湖における干拓堤防建設にともなう底生生物群集の変化を、10年以上にわたり継続的に調査されてきました。

東北大学滞在中は、「日本と韓国における干潟底生生物の生態学的研究」をテーマとして、佐藤慎一助教との共同研究で、おもに東北地方や有明海・諫早湾の干潟・浅海域において底生生物の調査・採集をおこない、日本と韓国における底生生物相の比較などの研究を進めました。

キム・イルフェ博士

キム・イルフェ
(Kim Il-Hoi)博士:
大韓民国、2008年9月~2009年2月

東アジア周辺海域におけるカイアシ類の記載と分布に関する研究

韓国江陵大学生物学科の金一會教授が、2008年9月26日から2009年2月25日まで総合学術博物館客員教授としておいでになりました。

金一會先生は、干潟の二枚貝類などに寄生するカイアシ類をご専門として、とくに東アジア周辺海域におけるカイアシ類の記載と分布に関する研究をおこなってこられました。

東北大学滞在中には、「東アジアにおける底生生物寄生カイアシ類の分類学的・生物地理学的研究」を研究テーマとして、佐藤慎一助教と共同でおもに東北地方の干潟において二枚貝類など底生生物に寄生するカイアシ類の分類・地理的分布をあきらかにして、黄海固有種との関連などについて研究を進めました。

リ・チャオロン博士

リ・チャオロン
(Li Chaorong)博士:
中華人民共和国、2008年5月~2008年9月

東アジアにおける前期旧石器文化の研究(日本と中国の比較研究)

中国科学院古脊椎動物与古人類研究所(IVPP)副研究員、北京市王府井古人類文化遺跡博物館副館長の李超荣(リ・チャオロン)博士は、中国で有名な10万年前の旧石器時代许家窑遺跡を調査し、その研究に大きな業績をあげられています。最近では丹江水庫地区の調査をおこない、中国のハンドアックスの問題について研究をすすめています。

李先生は、本学で「東アジアにおける前期旧石器文化の研究(日本と中国の比較研究)」と題して、故芹沢長介名誉教授が調査された早水台遺跡の資料と中国の資料(IVPPが調査した資料)との比較研究をおこないました。

ダヴィデ・バッシ博士

ダヴィデ・バッシ
(Davide Bassi)博士:
イタリア、2007年12月~2008年3月

イタリアのトレント地方の後期始新世サンゴモに関する分類学的・古生態学的研究

バッシ博士は、1996年にイタリアのトレント地方の後期始新世サンゴモに関する分類学的・古生態学的研究により、パルマ大学より博士の学位を授与されました。その後、フェラーラ大学に勤務され,現在は古生物学分野准教授の職にあります。

バッシ博士は、ヨーロッパの新生代の無節サンゴモ化石の古生態学的・分類学的研究を精力的におこなってこられました。最近では、新生代無節サンゴモ化石のタイプ標本の再検討を進められており、本学滞在中には、理学研究科の井龍康文准教授と共同で、石島渉博士(本学出身、立教大学名誉教授)が記載された新生代無節サンゴモ化石の再検討をおこないました。

ワン・シャオチン博士

ワン・シャオチン
(Wang Xiaoqing)博士:
中華人民共和国、2007年5月~2007年9月

東アジアの土器の起源に関する研究

王先生は、2000年3月に東北大学大学院文学研究科で博士の学位を取得され、帰国後、中国社会科学院考古研究所の研究員となり、旧石器時代から新石器時代にかけての研究をされています。最近では、中国陝西省宜川県龍王辿遺跡で細石刃文化の調査にたずさわっておられます。

王先生は、本学滞在中「東アジアの土器の起源の研究」と題して日本列島内の土器の出現期の様相について中国との比較研究をおこないました。

ケシャブ・ラジバンダリ博士

ケシャブ・ラジバンダリ
(Keshab Raj Rajbhandari)博士:
ネパール、2006年6月~2007年3月

ヒマラヤ産植物の分類学的研究

ネパール森林土壌保全省植物資源調査局植物研究所のKeshab Raj Rajbhandari(ケシャブ・ラジバンダリ)博士( 58才)のご専門は植物分類学で、ネパールにとどまらずヒマラヤ全域で高度に分化した植物群の多様性の解明に長年取り組んでおられます。

滞在中には本学に所蔵されている大量のヒマラヤ地域の植物標本を基に、ヒマラヤ地域の植物データベースを作成し、国際協力で行われているFlora of NepalProjectに貢献されました。

シェン・シュチョン教授

シェン・シュチョン
(Shen Shuzhong):
中華人民共和国、2005年8月~2006年2月

東アジアのペルム紀腕足類およびアンモノイドの比較研究

沈 樹忠(シェン シュチョン)教授(中国科学院南京地質古生物研究所)は腕足類化石、とくにペルム紀の腕足類化石がご専門で、腕足類化石を用いた、中国をはじめとする世界各地のペルム系の年代層序研究およびペルム紀古生物地理研究を活発に進められています。また、国際地質学連合国際層序委員会ペルム紀小委員会の事務局長としてもご活躍中です。

総合学術博物館永広昌之教授と共同で、「東アジアのペルム紀腕足類およびアンモノイドの比較研究」をテーマに研究を進められました。

ユーリ・ザハロフ教授

ユーリ・ザハロフ
(Yuri Zakharov):
ロシア、2005年4月~7月

極東および周辺地域のペルム紀-三畳紀アンモノイドの比較研究

ロシア科学アカデミー極東支部,極東地質研究所のユーリ・ザハロフ教授は、東アジア地域の三畳紀アンモノイド化石の権威で、国際地質学連合国際層序委員会三畳紀小委員会のインド階-オレネック階境界WGの委員長としても活躍されています。

「極東および周辺地域のペルム紀-三畳紀アンモノイドの比較研究」のテーマで、永広昌之教授と、日本・ロシア沿海州・モンゴルなどのペルム紀・三畳紀アンモノイド化石に関して共同研究を行なわれました。

アレキサンダー・ワシレフスキー教授

アレキサンダー・ワシレフスキー
(Alexander Vasilevski):
ロシア、2004年12月~2005年3月

サハリンの先史時代の研究

ロシア国立サハリン総合大学 歴史学・社会学・法律学部の歴史学部長のアレキサンダー・ワシレフスキー教授が、2004年12月から2005年3月中旬まで、総合学術博物館客員教授として来仙されました。

教授のご専門はサハリンの先史時代の研究で、滞在中、本学文学研究科考古学研究室が所蔵する、故伊東信雄博士が1933、1934年に調査された資料を中心に研究されました。

現在サハリン考古学の第一人者であるワシレフスキー教授は伊東先生の業績を高く評価されており、これらの資料を新たな視点から研究、大きな成果をあげられました。

タン・チョン教授

タン・チョン
(Tang Chung):
中華人民共和国香港、2004年5月~9月

東アジアを中心とした先史時代の玉類の研究

香港中文大学中国文化研究所中国考古芸術研究中心(センタ一)のタン・チョン教授が平成16年5月から8月まで、総合学術博物館客員教授としておいでになりました。タン先生のご専門は中国考古学で、とくに、東アジアを中心とした先史時代の玉類の研究をされています。

滞在中は、本学所蔵の東北地方から出土した玉類を中心に調査され、日本をふくめた東アジアの玉類についての比較研究をされました。

キム・キョンシク教授

キム・キョンシク
(Tang Chung):
大韓民国、2003年7月~2004年2月

中生代・第三紀における韓国および日本の木材化石フローラの比較検討

韓国全北大学生物学部の金京植教授が、平成15年7月から平成16年2月末まで総合学術博物館客員教授としておいでになりました。

金先生のご専門は中生代および第三紀の木材化石で、本博物館収蔵の日本、朝鮮半島、中国の木材化石の再調査を進めるとともに、韓国および日本の木材化石フローラの比較検討をされました。とくに、近年韓国東海岸で第三紀中新世の木材化石が発見されていますが、その中にはわが国の日本海側の同時期の木材化石と共通するものが多く、日本海の成立とも関連して大変興味のある問題で、大きな研究成果をあげられました。

キム教授の論文は、Bulletin of the Tohoku University Museum(東北大学総合学術博物館紀要)4号に掲載されました。

ピーター・ブラウン教授

ピーター・ブラウン
(Peter Brown):
オーストラリア、2002年8月~ 2003年2月

東アジア人の顎顔面形態の進化とアジアにおける現代人の起源

平成14年度の総合学術博物館の客員教授として、オーストラリア・ニューイングランド大学のピーター・ブラウン教授が、平成14年8月1日から平成15年2月28日まで、東北大学に滞在しました。研究テーマは「東アジア人の顎顔面形態の進化とアジアにおける現代人の起源」で、医学部人体構造学分野の百々幸雄教授と共同研究を行いました。

医学部所蔵の古人骨と現代人骨を用いた研究成果は、平成14年9月22日~27日に東京で開催された国際人類学民族学会議2002において「Post-Pleistocene Diachronic Change in East Asian Facial Skeletons」として発表されたほか、同名のタイトルの英文論文がAnthropological Scienceに投稿されています。

ナンシー・オッセンバーグ教授

ナンシー・オッセンバーグ
(Nancy Ossenberg):
カナダ、2001年9月~ 2002年3月

頭蓋の形態小変異からみた日本列島住民と北アメリカ先住民の起源と系統

カナダのクィーンズ大学医学部のオッセンバーグ名誉教授が、総合学術博物館の客員教授として平成13年9月から平成14年3月にかけて招聘されました。研究題目は「頭蓋の形態小変異からみた日本列島住民と北アメリカ先住民の起源と系統」で、医学研究科百々幸雄教授のもとで研究を行ないました。

タチアナ・チキシェバ教授

タチアナ・チキシェバ
(Tatiana Chikisheva):
ロシア、2001年4月~8月

日本列島と沿海州の新石器時代人骨の比較研究

平成13年度の総合学術博物館の客員教授として、ロシア科学アカデミー、シベリア支部の考古学・民俗学研究所のタチアナ・チキシェバ人類学部長が招聘されました。チキシェバ教授は、沿海州における考古学・人類学の権威で、「日本列島と沿海州の新石器時代人骨の比較研究」のテーマで、平成13年4月から8月にかけての4ヵ月間、医学研究科百々幸雄教授と共同研究を行ないました。

ピーター・ブリード教授

ピーター・ブリード
(Peter Bleed):
アメリカ、2000年5月~12月

旧石器・縄文時代の技術史的研究

総合学術博物館の客員教授として、ネブラスカリンカーン大学のピーター・ブリード教授が招聘され、平成12年4月から12月までの8ヶ月間、博物館において研究を行いました。

ブリード教授は人類学を専門とし、特に実験考古学や文化人類学の手法を用いて、先史時代の技術の復元・究明に多くの業績をあげてきたアメリカを代表する研究者です。以前にも三度来日され、日本の先史学の発展に貢献されてきました。

今回は、技術史の視点から日本列島の先史時代を解明することを目的として招かれ、本学収蔵の旧石器・縄文時代の資料を自らの実験手法で収集したデータと比較し、大きな成果を上げられました。ブリード教授の論文は、Bulletin of the Tohoku University Museum (東北大学総合学術博物館紀要)3号に掲載されました。

ハンネス・レーザー教授

ハンネス・レーザー
(Hannes Loeser):
ドイツ、1999年10月~2000年4月

本邦産ジュラ紀六放サンゴ及び現生六放サンゴの系統分類学的研究

平成11年10月から平成12年4月まで、総合学術博物館の客員教授として、ドイツからハンネス・レーザーさんが招聘されました。レーザーさんは中生代サンゴ化石が専門で、現在ヨーロッパを代表する新進気鋭の研究者です。  日本のジュラ紀化石六放サンゴ類の研究に従事し、大きな成果をあげました。レーザーさんの論文は、Bulletin of the Tohoku University Museum (東北大学総合学術博物館紀要)2号に掲載されました。

イリーナ・ユリエブナ・ブグローバ教授

イリーナ・ユリエブナ・ブグローバ
(Irina Y Bugrova):
ロシア、1999年4月~11月

アジアにおける白亜紀六放サンゴの系統分類学的研究

平成11年4月から9月まで、総合学術博物館の客員教授として、ロシアのサンクト・ペテルスブルク大学のイリーナ・Y・ブグローバさんが招聘されました。ブグローバさんは中生代白亜紀の六放サンゴ類の分類学的・古地理学的研究が専門で、ロシアを代表するサンゴの研究者です。