鉱物模型を組み立てる

平成15年活動の記録

平成15年体験活動
「かたちの不思議-自然が作るかたちと人が作るかたち-」

平成15年度子どもゆめ基金活動(独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センターより助成)として、「かたちの不思議-自然が作るかたちと人が作るかたち-」を開催しました(2003年8月1日(金)~2日(土)の2日間)。

本活動では、いろいろな"もの"がもっている"かたち"を観察して、それらの形の特徴をとらえ、正確に記録する方法を中心に解説して、野外・室内の実習を通して形を観察することのおもしろさを体験しました。
梅雨明けが遅れた今年の夏でしたが、前日から雨も上がり、暑くもなく寒くもない天候の中、仙台市内を主とする小学生~高校生のみなさん39名の参加でした。

化石や鉱物を通して自然がつくる形の不思議を知る

川底にある化石を採集

第1日目は、仙台市郊外の河畔に化石採集に出かけ、自然がつくる形の代表「化石」を採集しました。長く降り続けた雨の影響でみんな泥んこになりましたが、しばらく歩いて河岸にある化石を見つけると、一気に露頭に張りついてハンマーをふり続けました。
はじめのうちは、意外に硬い地層に戸惑いながらもうまく採集できなかった皆さんも、一人二人と大物の化石をゲットすると争うように気合が入り、多くの化石を採集できました。これを理学部自然史標本館にもち帰り、室内でのクリーニング作業に挑戦です。
少しずつていねいに土をとりのぞいていくと化石の全貌が現われ、みんな満足そうでした。クリーニングの後は先生方から学名を教わり、標本箱に入れてもち帰りました。

石器のスケッチの実習

第2日目の午前中は、形の記録方法を学ぶために、石器や貝殻などのスケッチ法と計測方法の実習を行いました。
午後は、鉱物の形がどんな風にできているかを知るために、ダイヤモンドとグラファイトの原子模型を作成し、同じ炭素という元素から構成されていても結晶構造が異なると出来上がる形や性質がまったく異なる鉱物となることを学びました。さらに、午後の後半では、地形の特徴を地形図から読み取ることにチャレンジしました。

2日間の実習を通じて、普段ふれることのないいろいろな形を手にし、その不思議さ、おもしろさを実感してくれた様子です。自然がつくる形と人がつくる形の特徴を少しだけ理解してもらえたようです。
もう一歩進んで、形ができ上がるプロセスにまで踏み込めればよかったのですが、これは次回のお楽しみです。