宮城県亘理町での化石発掘風景

平成13年活動の記録

平成13年体験活動
「自然史最先端 博物館資料を通してみる地球の躍動する姿」

平成13年度子どもゆめ基金活動として、大学博物館体験活動「自然史最先端:博物館試料を通してみる地球の躍動する姿」が2001年11月3日(日)と11月4日(日)の2日間にわたり開催されました。

本活動の主旨は、大学博物館に所蔵、展示されている標本は決して過去の遺物として保管されているわけではなく、標本採集から、分析し、収蔵・展示するまでの過程を通して、多面的な情報を得ることが可能であり、新たに視点を変えることで標本の存在価値には無限の可能性がある宝の山であることを実感していただくことにありました。一見物言わぬ標本ですが、観察者の主体的な問いかけさえあれば、地球の躍動する姿を生き生きと描き出すことができることを実感していただきたかったのです。
2日間を通じて小学生(高学年)から中学生・高校生あわせて25名に参加いただきました。

パワーショベルを使って化石の出る層準まで掘り起こしました。

地球の活動や生物の歴史に思いを馳せて

宮城県亘理町で参加者の方が発見したサメの歯化石

第1日目は、宮城県亘理町へバスをチャーターして出かけ、新第三紀の地層を観察し、サメの歯化石やほ乳類の歯や骨、貝類化石などを採集しました。
参加者全員が何らかの化石を発掘することができ、中には10センチメートルを超える立派なサメの歯の化石を発見した人もいて、1000万年を超える地質時代へのタイムトラベルを満喫しました。

博物館の長瀬敏郎先生から鉱物模型の作り方を教わる

第2日目は、大学の講義室で地震の話や鉱物模型づくり、貝殻の成長線の観察などを行ない、博物館試料標本を参加者自らが取扱いながら、地球の活動や生物の歴史について読み解いてゆきました。

2日の間、昼休みを除いてほとんど休む間もない程のハードスケジュールではありましたが、科学への興味の原点は、自ら手に触れ、自らの目で観察するということを、研究者も子供たちも改めて実感できた2日間でした。