蛇王洞洞穴遺跡


縄文時代早期 

■蛇王洞洞穴出土の人骨(縄文時代早期)

 岩手県気仙郡住田町上有住葉山に所在する。北上山地の南部に位置する石灰岩の洞穴遺跡である。大正の終わり頃、松本彦七郎博士の調査によってこの洞穴から屈葬した一体分の成人女性の人骨が発見された(写真12)。昭和39年には芹沢長介・林謙作両氏が再発掘をおこない、洞穴の堆積層が縄文時代早期のものであることが確かめられた。人骨には四肢骨が繊細であると言った、‘コンパクト’な早期人の特徴があらわれている。

1.蛇王洞洞穴出土人骨:発掘された骨の全部
2.蛇王洞洞穴出土人骨:頭骨
3.蛇王洞洞穴:洞穴の入口部。地元では蔵王洞と呼ばれている。


(写真3:岩手県立博物館提供)