展示会場のようす(第1 会場:川内萩ホール展示ギャラリー)

東日本大震災 〜何が起こったか〜 その記録と解析

【期間】2011年10月〜2012年6月29日午前中まで
【会場】東北大学片平キャンパス エクステンション教育研究棟 広報展示スペース
【開場日時】平日のみ、9:00〜17:00
※入場無料

 2011年3月11日の東日本大震災の発生から現在まで、東北大学の研究者たちもさまざまなかたちで活動し、また、今回の地震・震災関 係の研究を深めてきました。そこで、最新の研究成果を広く市民のみなさまにお伝えするために、東北大学片平キャンパスのエクステンション教育研究棟広報展示スペースにおいて、9 月28 日から 2012 年3 月末までパネル展示をおこなっています。入場は無料で、時間は年末年始を除き、平日の9:00~17:00 までとなっています。
 この展示は、「どのような災害だったのか」、「大学関係者による災害対応」、「東北大学の復興」、「行政機関等による救援活動(予定)」という4つのテーマから構成し、本学の研究者だけでなく、河北新報社や海洋研究開発機構(JAMSTEC)、防衛省、宮城県警察などの協力も得て、東日本大震災がどのようなものであったかをできるだけ広い分野から知っていただけるようにしました。
 最初のテーマの導入部では、河北新報社の報道写真を大きく示し、災害の巨大さを感じられるようになっています。つぎに、JAMSTEC の有人潜水調査船「しんかい6500」によって撮影された海底の地割れの写真を筆頭にして、地震・津波・汚染分野での、本学の研究者のさまざまな研究活動を順に紹介しています。
 地震のセクションでは、日本周辺の地震と今回の大地震の概要を解説し、地震・噴火予知研究観測センター海野徳仁教授のグループによる今回の地震の研究結果の紹介と、東北アジア研究センター石渡明教授の地震動による墓石転倒率にかんする研究のパネルを展示しています。
 津波のセクションでは、津波発生のしくみの解説に続き、理学研究科箕浦幸治教授のグループによる今回の地震津波の研究、そして、工学研究科菅原大助博士による貞観地震津波との比較研究を紹介しました。津波にかんする最新の研究をご覧いただけます。
 また、汚染のセクションでは、津波によって引き起こされた農地・土壌汚染についての研究として、農学研究科南條正巳教授を代表とする研究グループによる津波の塩害や復旧方法の研究と、農学研究科磯貝恵美子教授のグループによる
がれきに含まれる土壌由来の感染症のリスクの研究を紹介しています。
 つぎに、福島第一原子力発電所事故にともなう放射性物質汚染の研究として、理学研究科田村裕和教授のグループによる放射線量の測定と貢献活動、理学研究科岩崎俊樹教授のグループによる大気による放射性物質の拡散についての研究、理学研究科花輪公雄教授による汚染水の海洋における拡散シミュレーションの研究を紹介し、加齢医学研究所福本 学教授のグループによる被災動物の包括的線量評価事業について解説しています。また、薬学研究科平澤典保教授のグループによる宮城県住民の被ばく線量測定にかんするプロジェクトについても紹介しました。
 つぎのテーマでは、総合学術博物館が協力した宮城県沿岸部の自然系展示施設の標本レスキュー活動、本学片平キャンパスの考古学陳列館の被害、東北大学の学生によるボランティア活動、そして部局による各種の支援活動等を展示
しています。
 3 番目のテーマでは、東北大学がめざす復興構想やさまざまなプロジェクトを紹介しています。最後のテーマでは、自衛隊による救援活動や宮城県警察本部から提供していただいた警察による活動のようすなどを紹介する予定となっています。展示にあたり、上記研究者の方々や各機関には多忙にもかかわらず快く貴重な資料を提供していただきました。ここに記して感謝します。

 

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