東北大学総合学術博物館のすべて Ⅷ 「中国・朝鮮国境の大活火山 白頭山の謎」

むすび

企画展「東北大学総合学術博物館のすべて」シリーズも今回の「中国・朝鮮国境の大活火山 白頭山の謎」で8回目となりました。この企画展シリーズは、東北大学が創立以来100年の研究教育の歴史の中で生み出してきた学術財産を広く社会に公開すること、東北大学が今何をしようとしているのかを説明することを目的に始められました。今回の企画展「白頭山の謎」では、東北大学東北アジア研究センターが中心となって行ってきた海外学術研究の成果をご紹介いたします。

東北大学では、諸外国の研究機関と連携しての国際共同研究が数多く行われていますが、この白頭山の10世紀噴火の謎にせまる研究も、中国の吉林大学、延辺大学や中国地震局、さらには朝鮮の地震局や韓国の高麗大学・釜山大学の研究者との、日中朝韓4ヶ国による国際共同研究です。白頭山は海をはさんだ彼方にあります。しかし、その火山活動は、国境や海を越えてわが国にも大きな影響を与えます。その意味でも、研究に国境はありません。世界でも有数の火山国である日本の火山研究の成果は、諸外国の火山活動の解明にも大きく役立つことでしょう。

研究はなお進行中です。今回ご紹介するのはいわば中間まとめで、現在の到達点です。今後のさらなる国際協力のつみかさねが、白頭山の謎をさらに解き明かし、各国の防災に役立つことを期待しています。

総合学術博物館は、東北大学が継承してきた学術財産を公開するとともに、東北大学で現在進行中の研究の紹介をも行い、それらを通じて今後とも広く社会に貢献できるよう努力してまいります。博物館の次回企画展にも、ぜひご期待ください。最後に、本企画展を共催いただいた東北アジア研究センター、仙台市科学館をはじめ、ご協力いただいたみなさまに感謝いたします。

東北大学総合学術博物館 館長 永広昌之

  • 企画制作
  • 東北大学総合学術博物館
  • 長瀬敏郎
  • 東北大学東北アジア研究センター
  • 谷口宏充
  • 宮本 毅
  • 東北大学農学研究科
  • 菅野均志
  • 展示・ホームページデザイン
  • 今野晴美
  • イラスト制作
  • M's 山田光正
  • 学術協力
  • 東北大学大学院理学研究科 地震・噴火予知研究観測センター
  • 防災科学技術研究所
  • 宋善花