坪沼断層は長町-利府断層のほぼ南西延長部に位置し、北東-南西方向で北西上がりの活断層であり,長さは約5kmと推定されます。南方に向かい次第に向きを変え、南端では東西方向になって高館丘陵内で消滅します。
掘削によるトレンチ調査の結果,トレンチ内には断層が東側法面と西側法面に出現しました。断層面の走向・傾斜はN42゚~58゚E54゚~62゚NWであり,北西側上がりの逆断層です。トレンチ内では断層を境として基盤岩である高舘層(上盤)と第四系の未固結堆積物が接しており,断層上部は砂・礫層および腐植質シルト層に覆われています。
図と写真は、坪沼第二トレンチ東側の法面をしめしています。断層面は波曲していますが,一部で鏡肌を呈するセン断面が認められ,その走向・傾斜はN46゚E82゚NWです。断層粘土は法面下部で厚く,厚さ5~8cmです。
法面の左下隅には,新第三系中新統の高舘層が分布しています。高舘層は黄灰~黄褐色を呈する火山礫凝灰岩からなり,全体に風化して脆いが,岩盤組織は保存されています。


▼坪沼第二トレンチ
東側法面(のりめん) 断層面近景
断層面は波曲する。断層粘土は法面下部で厚さ10cm
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