ミニ展示 「先史学フロンティア」

第7回 「先史学フロンティア─東北大学からの発進─」
 2008.11~2010.3

東北大学の考古学研究には、すでに90年余りの歴史があります。およそ1920年ころ(大正中期)より始まった縄文文化の研究は、東北地方から数多くの遺物を発掘しただけでなく、全国規模のこの時代の時期的・地域的な秩序(土器編年)を作り上げました。
また、「遅れていた」とされていた東北の古代文化のイメージをくつがえして、稲作農耕にささえられた弥生時代の豊かな東北地方を実証するととともに、縄文時代を遙かにさかのぼり、日本列島の旧石器時代の存在を証明して、数万年前の人類の生活をあきらかにしたのです。東北大学は、まさに先史学のフロンティアを果敢に切り開いてきたといえるでしょう。
展示では、とくにその先頭に立って研究を指揮してきた、芹沢長介、山内清男、伊東信雄の三人のすぐれた業績を、文学研究科考古学陳列館に収められた貴重な土器・石器群によってご紹介しました。さらに、医学系研究科における古人骨の最新の研究を取り上げ、今なお力強い東北大学からの知の発進のありさまを、みなさまにご覧いただきました。