里浜貝塚遺跡


縄文時代晩期・弥生時代

■里浜貝塚出土の縄文時代の人骨(縄文時代晩期)

 宮城県桃生郡鳴瀬町宮戸島に所在する里浜貝塚は松島湾東側の湾口部に位置する著名な貝塚遺跡である。時期は、縄文時代前期〜晩期が主体であるが、弥生・平安時代の遺物も発見されている。今回、展示した人骨は、大正7〜8年に東北帝国大学の松本彦七郎博士が寺下囲地点で発掘した縄文時代晩期の屈葬された成人である(写真14) 。

14. 里浜貝塚出土縄文時代晩期の人骨:埋葬状態のまま保存

13. 里浜貝塚遺跡:全景

■里浜貝塚出土の弥生時代の人骨(縄文時代晩期〜弥生時代)

 平成9年に鳴瀬町教育委員会によって西畑地区で発掘調査が実施された。この時に縄文時代晩期から弥生時代にかけての4基の墓が見つかった。いずれも屈葬された幼児の人骨であった。検出された地層からは数点の弥生時代の土器片が検出された。この人骨が土着の縄文人系のものか、渡来系弥生人なのか、現在、東北大学医学部で分析研究中である。

15. 里浜貝塚遺跡西畑地区:縄文時代晩期〜弥生時代の幼児骨の出土状況
16. 里浜貝塚遺跡西畑地区:全景


写真13,15,16:奥松島縄文村歴史資料館提供