宮野貝塚遺跡


縄文時代中期 

■宮野貝塚出土の人骨(縄文時代中期)

 岩手県気仙郡三陸町綾里字宮野に所在する。遺跡は白浜湾の奥、南西約2kmのところに位置する縄文時代前期〜晩期にかけての貝塚である。今回、展示した縄文時代中期の人骨は、昭和53年に調査したB・C地区で発見された成人男性である(写真89)。周辺に石を配し、腰飾と垂飾を付けて屈葬されていた(写真6)。また、腰の寛骨には石鏃(矢尻)が刺さった状態で発見された(写真7)。骨の治癒の様子から、この男性は、矢尻が打ち込まれた後も生き延びていたらしい。

8. 宮野貝塚出土人骨(成人男性):頭骨
 
9. 宮野貝塚出土人骨(成人男性):全身骨格
5.宮野貝塚遺跡:発掘風景
6.宮野貝塚遺跡:人骨の出土状況
7. 腰の骨に石鏃(矢尻)が刺さっているのが観られる。


(写真5, 6, 7:百々幸雄氏提供)