クジラの下あごの骨をクリーニングしているところ

クジラ化石クリーニング中!

 2003年に宮城県三本木町で発見されたクジラ化石は、2004年7月から2005年4月の2回の発掘調査で掘り出され、現在は総合学術博物館の施設にて、母岩から骨を取り出す作業(クリーニング)とレプリカの作成が行われています。これらのクジラ化石は、地圏環境科学科の大学院生の修士研究のために使用されます。また、仙台市の竜の口峡谷から発掘されたクジラ化石もあります。

 三本木町のクジラ化石は、竜の口層という地層から産出しており、今から約500万年前の新生代第三紀鮮新世の時代のものです。発掘された化石は推定全長10数mの大型のものと、3.5m程度の小型のものの2種類あり、大型の方はナガスクジラ科、小型の方はケトテリウム科(絶滅)の仲間であると判りました。小型の方についてはさらにハーペトケトゥス・センダイクス(Herpetocetus sendaicus)という種に同定されつつあります。(検討中)。この種は仙台市や岩手県に分布する竜の口層からも見つかっており、この地域のこの時代に特有なものとなっています。ケトテリウム科の進化や生態を考える上で貴重な位置を占める種です。

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