2004.1/16(金)~2/29(日)   MAP
                      980-0862 仙台市青葉区川内三の丸跡
                      TEL022-225-3074

 開館時間9:00~16:45(入館は16:15まで)
 休館日毎週月曜日・2/12(木)
 観覧料常設展料金/一般400円、高校生200円、小・中学生100円

 企画展の出陳資料を収録した図録を販売いたします。販売のお知らせ


企画展開催にあたり
闘戦勝仏 東北大学総合学術博物館では,組織発足5年という節目にあたり,東北大学が所蔵する学術コレクションを広く紹介する展覧会を企画いたしました。この展覧会は,その第1弾として,東北大学大学院文学研究科所蔵の「河口慧海請来チベット資料」に焦点をあて「はるかなる憧憬 チベット」と題し,企画展を開催いたします。総合学術博物館では,本展覧会に引き続き,展覧会シリーズ「東北大学総合学術博物館のすべて」の第2弾,第3弾を企画準備しております。これらの展覧会を開催する中で,わたしたち総合学術博物館の活動に対する皆様のご理解が得られるよう努力して参りたいと思います。
 本展覧会開催のために貴重な資料をご出品いただきました所蔵者の皆様,ご協力いただきました関係各位に対し,厚く御礼申し上げます。

 
河口慧海河口慧海(かわぐちえかい)とは
 現在の大阪府堺市に生まれた河口慧海(1866-1945)は,早くに仏教に目覚め僧侶となりました。やがて漢訳仏典に不備を感じた慧海は,仏典の原型をよくとどめたチベット語約の大蔵経(一切経)を入手するため単身,鎖国化のチベットに潜入を図ります。徒歩でヒマラヤ山脈を越えるという,2回の文字通り命がけの旅を通じて,ようやく慧海の念願は果たされることになったのです。後年,慧海は僧籍を返上し,在家の立場で仏教の研究や普及につとめ,また大正大学教授としてチベット語の研究に専念しました。


「河口慧海請来チベット資料」とは
 通算17年間のチベット行の際に,慧海によってインド,ネパール,チベットの各地で収集された仏教美術資料818点,民俗資料413点,標本255点,合わせて1486点が「河口慧海コレクション」です。このコレクションは,昭和29・30年度に慧海の遺族から東北大学に譲渡され,東洋・日本美術史研究室に保管されてきたものです。
 河口コレクションは,含まれる資料が多種多様でその分量の多さが特徴となっています。これらの資料は,慧海が明確な目的をもって収集したものでなく,当地の信仰や生活様式を理解するのに役立つのではないかと思いながら,折りに触れ目に止まったものを収集したもののようです。そのため,このコレクションは,それまでチベットより国外に持ち出されることが少なかった19世紀から20世紀初頭のチベットの信仰や文化を,当時のままそっくり切り出してきたような資料となっています。

展示紹介
 本展では,これまでほとんど公開されることのなかった「河口コレクション」の主だった資料を3部に分けて一挙に展示いたします。第1部では,チベット行の目的を示す自筆の上書や収集品に慧海自らが書き付けた筆跡を展示し,慧海の人となりを紹介します。第2部では,仏教美術資料を中心に展示します。中でも木版画の護符と粘土製のお守りサッチャは分量も多く,チベットの民間信仰を示す興味深い展示となりました。第3部では,衣類染織品はじめ日用品,装飾工芸品などの民俗資料や押し葉標本,鉱物岩石標本などの標本類を展示します。ここでは,慧海が収集した「雪男の手」や「コンニャク石」,骨笛やドクロ杯の科学的な研究成果も併せて紹介します。

第1部 第2部 第3部
河口慧海展データベース
 
1000点を超える河口慧海コレクションのうち今回の企画展に出陳する資料標本を中心にその画像と詳細を提供します。
データベースTOP