鍛焠賦(たんさいふ)

公開施設、記念碑等

鍛焠賦(たんさいふ)

鉄を加工する際の「鍛(きたえる)」と「焠(にらぐ)」という最も基本的かつ重要な二大技術を開発した古代の人々への畏敬の念を込めて製作されたオブジェ。

久保浩
1932年(昭和7年)兵庫県神戸市生まれの彫刻家。佐倉市在住。1960年代には東洋のロダンと呼ばれた彫刻家・朝倉文夫に師事した。 地元佐倉で同市出身の長嶋茂雄にちなんだ作品の制作にたびたび携わっている他、各地の公共彫刻を手がけている。 地域における美術振興にも尽力し、2019年(平成31年)には「地域文化功労者文部科学大臣表彰」を受けた。  久保は「この世に存在するものはすべて立体である」と語る。「この世に存在するものはすべて立体である」と語る久保。制作の過程では、 一貫してスケッチなど平面の習作は描かず、鋭い観察眼でもののかたちを無限の視点から立体としてとらえ、それをそのまま強い存在感を放つ彫刻として表現している。

【説明文】
鍛焠賦(たんさいふ)
平成四年三月十七日
寄贈 新日本製鐵株式会社
創案・構成 彫刻家・日展会員 久保浩
制作 友和産業株式会社

多種多様な金属の中でも特に鐵、就中(なかんずく)鋼の果たしてきた役割は表現できない程、重且つ大である。そしてその鋼に、しかあるべき性能を附与したのは、 鍛(きたえる)と焠(にらぐ)〔ヤキを入れること〕という二つの技術である。この技術があってこそ、今日の全社会が成立した。
鐵を手に入れるや、忽(たちま)ちこの最も基本的で重要な二大技術を開発した古代の人々の能力を畏敬して歇(や)まない。すなわち鍛焠賦と呼ぶ作品を創ったゆえんである。
(作者のことば)

”鏡”には不思議な力がある。動物に鏡を見せると、知恵の程度に応じたさまざまな反応を示す。われわれ人間も鏡の向こうに反対向きの世界を見て、驚いたり楽しんだりする。 このオブジェは、超平面仕上げ加工した18-8ステンレス鋼板を用いて新日本製鐵から寄贈された
1992年3月 デザイン;日展会員 久保 浩

関連情報

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