三太郎の小径 阿部次郎記念散歩道

公開施設、記念碑等

阿部次郎(前列中央)と法文学部卒業生

三太郎の小径 阿部次郎記念散歩道

 阿部次郎記念散歩道(三太郎の小径)は、近代日本を代表する哲学者・阿部次郎名誉教授(1883-1959年)の生誕百年を記念して大学と仙台市が協力して整備した散歩道です。ハイデルベルクや京都の「哲学の道」を意識して構想され、 生前散策をしながら思索にふけった阿部先生の代表作『三太郎の日記』にちなんで、「三太郎の小径」と名付けられました。
 この散歩道は、仙台市博物館から東北大学百周年記念会館萩ホール(旧東北大学記念講堂及び松下会館)の敷地の外側を周遊するものです。仙台市博物館前庭に設置された記念碑を起点に、五色沼を左手に見ながら坂を上がり大手門跡の向かいに 佇む支倉常長像を経由し、仙台中心部を右手に望みながら萩ホールの外周をまわり、東北大学弓道場の横を通って附属図書館本館前に伸びる中善並木を南方向へ抜け、萩ホール正面へと至る約1kmの周回路となっています。
 博物館の前庭には、正面に俳句「白雲の行方を問はむ秋の空」を、背面に『三太郎の日記』の一節を刻んだ句碑が置かれています。 仙台国際センターを望むあたりには、阿部先生と同じく山形県出身の歌人・斎藤茂吉(1882-1953年)の歌碑があります。ここに刻まれた歌は、斎藤が昭和3年5月に東北帝大で講演した折の阿部先生宅滞在中に作られたものです。 二人の長年の親交を記念して1990年に歌碑が建てられる際に、この歌が選ばれました。また斎藤の歌が刻まれたのと別の面には滋賀県出身の歌人・木俣修(1906-83年)の歌が刻まれています。

斎藤茂吉「わがこころ/和らぎつつゐたり川の瀬の/音たえまなき/君が家居に」
木俣修「蔦かつら/あかくもみつるしろあとに/百舌は高なく/ゆふさりくれは」

アクセス

D D01川内萩ホール付近