第10回公開講演会 「日中朝韓が取りまく大活火山 白頭山」当日の様子

第10回 公開講演会

第10回 公開講演会
「日中朝韓が取りまく大活火山 白頭山」

谷口宏充 (東北大学東北アジア研究センター名誉教授)

講演者:
谷口宏充 (東北大学東北アジア研究センター名誉教授)

開催日:2008年10月19日

2008年10月19日、仙台市青年文化センター・エッグホールにて、10世紀の巨大噴火とその影響、そして現在の白頭山の火山活動について、東北大学東北アジア研究センター・谷口宏充名誉教授にご講演いただきました。

10世紀に巨大噴火を起こした白頭山は、その後何度か小規模な噴火を起こしているものの、10世紀噴火規模の噴火は、ここ1000年以上ありません。しかし近年、地震や地殻変動が活発化し、近い将来の噴火の可能性を完全に否定することはできなくなっています。
また、地質調査や歴史書などの解析から噴火周期を考えても、次の噴火は近いと予想されます。
このような状況のなか、谷口教授は、たとえ小規模であっても噴火の可能性がある以上、火山噴火についての研究が活発で、噴火災害対策に実績がある日本が中心となり、白頭山を地勢的に取り囲む東北アジアの国々が互いに協力し対応してゆくことが大切だと指摘し、ただし、そのためには、理系・文系両方の知識と経験が必要であって、また、国レベルだけでなく、大学間や民間レベルでの協力関係の構築も重要だと提言されました。

現在の東北アジアでは日朝間にかぎらず、各国間に多くの難問が存在します。可能なところから協力しあい、信頼関係を構築することによって初めて解決の糸口がみえてくるだろうとのお話でした。